断崖絶壁に穿たれた「笊の目」を見に
Creux-du-Van
クル・デュ・ヴァン、標高1465m

断崖の上から眺めたクル・デュ・ヴァン。光と影の強烈なコントラスト
■地域
ヌーシャテル州ジュラ山域、トラヴェール谷(Val de Travers) 【フランス語】
■アクセス
ヌーシャテル(Neuchâtel)からノワレーグ(Noiraigue)まで地方線電車で約20分。車があればロベール農場(Ferme Robert)あるいはレ・ズイヨン(Les Oeuillons)まで入ることができる(駐車場あり)。
■使用地図
1/50000 No.5024 Neuchâtel-Les Verrières-La Neuveville
(大判地図。普通サイズの地図だとちょうど境目に位置し複数枚必要) クル・デュ・ヴァンの概念図
■コースタイム
1:00 ノワレーグ駅(Noiraigue)〜ロベール農場(Ferme Robert)、
1:10 ロベール農場〜クル・デュ・ヴァンの東端(1436m)、
0:35 クル・デュ・ヴァン東端〜クル・デュ・ヴァン西端(1400m)、
0:40 クル・デュ・ヴァン西端〜レ・ズイヨン(Les Oeuillons)、
0:40 レ・ズイヨン〜ノワレーグ駅。

合計4時間5分。標高差740m。

■どんなところ?
ロベール農場から仰ぎ見るクル・デュ・ヴァンの断崖
クル・デュ・ヴァンは「笊(ざる)の目」の意味で、その名の通り笊のような形のくぼ地を指している。ぼこぼこ穴の開いたその谷間をかこんで、ル・ソリアまで一方は崖、一方はなだらかな牧草地という独特の景色が広がっている。

2年前に初めてクル・デュ・ヴァンを訪れた時はレ・ズイヨン(Les Oeuillons)からピストンしたのだが、今回はロベール農場(Ferme Robert)経由の一周コースを試みた。一周コースだと断崖を見ながら登ることができ、楽しみが倍増する。

ノワレーグ(Noiraigue)駅から、まずは道標に従ってレ・ズイヨンに向かって登りはじめる。幅の広い砂利敷の車道で、車があればこの部分は割愛できる。残念ながらバス便は無い。

途中砂利道を離れる分岐があるので(道標あり)、この分岐をロベール農場方面へ進む。ロベール農場からは早くもクル・デュ・ヴァンの断崖絶壁を間近に眺めることができる。

崖に向かって森の奥へと進むと、途中道端に小さな石碑があり、「1757年、ここで熊が仕留められた」と刻まれている。250年前にはこんなに里に近いところにまで熊が生息していたのだ。今ではちょっと信じられない。

↑視界のきかない森の中を登る

ジュラ特有の石垣。これ以外は崖っぷちに柵も何もない

ほぼ平らな道を奥までゆくと森に入り、幅広い砂利道が蛇行しながらしだいに傾斜を増してゆく。最終的には左手(東側)から断崖の上に出るので、途中から壁を右手に見ながら上を目指す。道標はかなりしっかりしているが、近辺は無数の道が交差しており、下手をするとクル・デュ・ヴァンに登らずにヌーシャテルに抜けることにもなりかねないので、とにかく上を目指そう。

崖のてっぺんが近づいてくると、林道が細い山道になり、部分的にかなり崩壊している。滑らないように注意が必要だ。登りきると一気に森が途切れ、なだらかな牧草地が広がる。牧草地を西にむかってぶらぶら歩けば、突如クル・デュ・ヴァンの断崖がその姿を現す。いつ見てもすごい眺めだ。

最高地点ル・ソリアに向かってゆるゆると登っていくと、背後にはいつの間にか、アルプスの大展望が出現している。

ベルナー三山からはるかヴァレやフランスまで、雄大なパノラマが広がるル・ソリアの農場
ヌーシャテルからアルプスまでかなり距離があるはずなのだが、途中さえぎるものが何もなく、アイガー・メンヒ・ユングフラウのベルナー三山からヴィルドシュトルーベル、レ・ディアブルレを経てヴァレ州フランス国境の山々まで、くっきりはっきり、見事なパノラマだ。もしかしたらモン・ブランも見えていたかもしれない。

断崖に沿って、クル・デュ・ヴァン西端のル・ド・ダーヌ(Le Dos d'Âne、「ロバの背」という意味)まで達したら、レ・ズイヨンにむかって再び森の中を下り始める。こちらのほうが人が多く、道もよく整備されている。

真下に見えているレ・ズイヨン農場を目指して、急な斜面をジグザグに下る。2年前に訪れた時は半分朽ちかけたぼろぼろの建物だったレ・ズイヨンの農場は、美しく再建整備されており、小さなカフェテラスもある。

小休止したら、ノワレーグめざして砂利道をぶらぶら下っていこう。

■別館関連ページ:【Creux-du-Van

■おすすめリンク
奇観で有名なクル・デュ・ヴァンは関連サイトが多い。
スイス山岳会会報(PDFファイル):2003年10月号の特集記事。クル・デュ・ヴァンの形成、植生、動物からトレッキング・クライミングコース案内まで。写真多数。(仏語)
Pay de Neuchâtel:ヌーシャテル観光案内所。クル・デュ・ヴァンのコース案内あり。(仏・独・英・伊語)
Seelandjura:コースガイドあり。(仏・独語)