短いコースタイムで変化にとんだ山歩きを愉しむ
Gantrisch & Bürglen
ガントリッシュ(標高2175.4m)とビュルグレン(標高2165m)

ビュルグレン山頂から見たガントリッシュ。右後ろの小さく尖った黒い山はシュトックホルン、そのさらに後ろの白い山はベルナー三山
■地域
ベルン州ガントリッシュ山域 【ドイツ語】
■アクセス
ベルン駅からリッギスベルグ(Riggisberg)までバスで約50分。バスを乗り換えてガントリッシュヒュッテ(Gantrischhütte)まで約35分。
■使用地図
1/50000 No.253 "Gantrisch"
ガントリッシュとビュルグレンの概念図
■難易度=T2〜T4
ウンターガントリッシュ小屋〜モルゲーテン峠〜ビュルグレン山頂までがT2、モルゲーテン峠からガントリッシュがT3、ビュルグレン稜がT4
■コースタイム
■ガントリッシュ:
1:00 ウンターガントリッシュ小屋(Unter Gantrischhütte)〜モルゲーテン峠(Morgetenpass)、
1:00 モルゲーテンパス〜ガントリッシュ山頂、
0:50 ガントリッシュ山頂〜ガントリッシュセーリ(Gantrishseeli)、
0:10 ガントリッシュセーリ〜ガントリッシュ小屋。
合計3時間5分。標高差665m。

■ビュルグレン:
1:00 ウンターガントリッシュ小屋〜モルゲーテン峠、
0:30 モルゲーテンパス〜ビュルグレン山頂、
0:40 ビュルグレン〜ビュルグレングラート終点(1890m)、
0:15 ビュルグレングラート終点〜ガントリッシュセーリ、
0:10 ガントリッシュセーリ〜ウンターガントリッシュ小屋。
合計2時間35分。 標高差655m。

■どんなところ?
ウンターガントリッシュ小屋付近から見たガントリッシュの東面

こちらはビュルグレンの全容。ガントリッシュから北方に延びる稜線下部から撮影

ガントリッシュ山域はベルン州の前衛アルプス山脈の中でもとくに首都ベルンや隣州の州都フリブールからの車でのアクセスが非常に容易で、週末ともなると年間を通じて多くの日帰り登山客で賑わう。主峰ガントリッシュを中心に、オクセン(Ochsen)、ビュルグレン、ニュネネンフルエ(Nünenenflue)と、特徴ある姿をつらねた山々は下から見上げるだけでも美しく、周辺の散策だけでも楽しめることだろう。また冬にはガントリッシュ小屋の少し先にある駐車場(バス停もあり)の脇(リュッギスベルグ、Rüggisberg)にTバーリフトが設置されるため、小さな子どものいる家族連れスキー客も多い。

ここではウンターガントリッシュ小屋を起点に、モルゲーテン峠(Morgetenpass)を挟んで対峙するガントリッシュとビュルグレンの2つの山を合わせてご紹介しよう。どちらか片方だけ登ってもいいし、一日でいっぺんに二つ登ってしまうことも可能だ。コースタイムは短いのに、「山岳」の雰囲気を十分に楽しめる多彩さと手軽さが、この辺りの中程度の標高の山々の大きな魅力になっている。

モルゲーテン峠(前方に見えている鞍部)めざしてゆるやかに登る

モルゲーテン峠から望むガントリッシュ

ウンターガントリッシュ小屋からは、すでにガントリッシュの魁偉な山容がまるまると見えている。左手にはガントリッシュ、右手には荒々しい岩肌が迫力満点のフンムリシュピッツを見ながら、前方の視界を塞いでいるモルゲーテン峠を目指して幅の広い砂利道をゆるやかに詰めていく。このあたりには夏ならマウンテン・バイカーもいるし、冬は歩くスキーにもってこいの場所だ。峠の直下から、やや急な斜面を左側から巻くようにしてトラバースすれば(この部分、冬は雪崩に要注意)、登りつめた場所がモルゲーテン峠だ。

峠の向こう側はなだらかな緑の牧草地で、少し下にはアルプ小屋がある。この小屋で作ったハードタイプの山のチーズを、夏なら峠に出現する素朴なスタンドで買うことが出来る。峠そのものは奥行きがほとんど無い狭い尾根上にあって、ここから東(左)に進めばガントリッシュ、西(右)に進めばビュルグレンにいきつく。

東のガントリッシュ方面は尾根歩きだ。それほど幅がないので、とくに冬はかなり高度感がある。夏なら南側の斜面は一面のお花畑で埋め尽くされて壮観だ。尾根筋に沿ってガントリッシュの直下まで進んだら、最後は簡単な短い岩登りだ。山頂は予想外に広々とした草地で、夏ならピクニックにもってこいの場所だ。

ライテレン峠側の景色。壁のようなニュネネンフルエが迫力満点

はるか上に見えるビュルグレン山頂に向かって草地を登る

軍隊のトンネル入り口を越えて、ビュルグレン稜を下る

ウンターガントリッシュ小屋のすぐそばにあるガントリッシュセーリ(湖)とガントリッシュ。カッチンコッチンに凍っていました

下りはもと来た道をモルゲーテン峠からウンターガントリッシュ小屋まで戻るのが一番簡単だが、ガントリッシュの南面をトラバースしてさらに東のライテレン峠(Leiteren)に抜けるという手もある。ライテレン峠からリュッギスベルグ方面で見られるガントリッシュの姿は西側とはまるっきり別の山のようで、こちらも楽しめることだろう。ただし最初のトラバースは雪が付いていると少々厄介だ。

いっぽう西のビュルグレンは、峠からじかに草地の斜面を登る。上部では南側の崖沿いに柵が設けられているので、これに沿ってひたすら一番高いところを目指そう。山頂には小さな岩以外には何もないが、ここからのガントリッシュとオクセンの眺めは最高である。下りは同じくもと来た道を引き返すのが一番簡単だが、山に慣れた人なら(そしてそれ以外の人にはお勧めできない)山頂から北に延びるビュルグレン稜(Bürglengrat)を下るという方法もある。

急峻な岩場の上部には、コンクリートで固められた軍隊の地下通路への入り口が3ヶ所ばかりある。現在は使用されていないものだが、ビュルグレンからガントリッシュ周辺山域の地下にトンネルが張り巡らされていると思うと妙な気分だ。またこの入り口付近の斜面上からは、ガントリッシュのすぐ向こうに、まるで景色のその部分だけを切り取っかのたようにベルナー三山が顔を覗かせており、とても美しい。

ビュルグレン稜を下りきると、その先は道が無い。最鞍部で右折(北東方面)し、牧草地をガントリッシュセーリに向かって下ろう。湖の付近まで下れば、周辺のアルプ小屋に通じている道に合流できる。

■別館関連ページ:【Gantrisch】【Grenchegalm

■おすすめリンク
シュヴァルツェンブルガーランド:ガントリッシュを含むセンセ川(Sense)流域の観光案内。ハイキングのコースタイムやスキー場へのリンクなど。(独語)
ガントリッシュ地方:ガントリッシュ地方のゲマインデのサイト。ライブカメラやニュースなど。(独語)
ガントリッシュ・スキー場:ガントリッシュのミニ・スキー場の公式サイト。(独語)
グルニゲル・ベルグハウス:ガントリッシュにほど近いグルニゲルの山岳ホテルのサイト。(独語)